REPORT No.97 |
2006.02.03
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「よし、みんなでやろう」という組織力の低下 |
企業の研修担当者と話題になった。1970年代はQCサークルが盛んな時代であった。QCサークルとは、同じ職場内でQC活動を自主的に行い、職場の管理や改善を継続的に行う。この体験を通して、自己啓発、相互啓発を行う全員参加の小グループ(チーム)である。
このようにして組織の中に、協働作業、コミュニケーション能力、人間関係が作られていった。QCサークルは、TQCの一環としてチーム力(組織力)を向上させ、世界に冠たる品質管理力を築いた。
しかし、企業環境の変化、価値観の変化と共にQCサークル活動が下火になり、「チーム力(組織力)」よりも一人ひとりの「個人力」の評価にウエイトが移ってきている。
過程よりも結果を評価する個人力の評価ウエイトが高まるにつれ、人と人の関係がバラバラになり、より狭い範囲でしかものが見えず、協働作業ができず、結果的に部分最適化はよいが、全体最適化にならず、チーム力(組織力)が低下する。
最近の中小企業内では、QCサークルの体験者が退職時期となり、どんどん少なくなってきている。教育を受けてない、体験してない30代、40代の中堅社員のチーム力(組織力)が低下し、経営者が「笛を吹いても踊らない」現象が起きている。
組織力とは、「よし、みんなでやろう」ということである。他人との関係を築くことであり、自主性を育てることである。
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