syslab ISO network Report
コンサル現場から


REPORT No.85 2005.7.4

5Sによるうっかりミス防止

ある製造現場で、101mmの長さの加工する製品が、100mmで加工し、出荷されロット不良のクレームとなった。現場で作業者に状況を聞いてみると図面は101mmであることを確認して、NC機にセット、加工した後寸法確認をしたという。

寸法は確かに確認して作業したのだが・・・図面を見間違えた、うっかりミスという。現場の班長は、うっかりミスだからある程度しょうがないという。 うっかりミスを認めたら不良はゼロにならない。うっかりミスが集まって慢性不良という現象が起きている。

不良ゼロのものづくりでは、うっかりミスという言葉はないと決めることである。うっかりミスでなく作業の手順を守らなかった、または守れなかったことによる不良である。まず現場に行き、どこに図面を置いたのか、寸法をどのように測定し、測定値と図面をどのように比較したのか確認をすることである。

まず、図面が手元で確認できる状態になければ図面の規格値と照合していないので問題外である。次にどのように確認したかである。測定した寸法値と図面の寸法値を照合したのか、それとも測定した寸法値とセット時に頭に記憶した寸法値と比較したかである。図面と照合しなければ時々間違える。これをうっかりミスと称しているのである。

加工ミスによるうっかりミスの防止方法は、5SとISO9001面からしくみを作ることである。

1) 作業の手順は体で覚えるが、基準、標準は覚えてはいけない。手元において、測定値と図面を指差し確認するのが基本動作である。これが、5Sの"整頓"である。

2) ISO9001による関所の明確化と全数検査が基本である。抜き取り検査では不良はゼロにならない。初物チェック、最終チェック、中間チェック、工程内検査の関所を明確にして、次工程はお客様の個人責任を追求する工程内検査である。

3) 顧客のために仕事をするという顧客重視の徹底をする意識改革が必要である。   ISOは信頼性、透明性、公平性を国際公約するものである。不良ゼロは顧客満足と社員満足の追求するものである。そのために「いつでも決めたことを守る」ことがISOである。
加工ミス防止のポカヨケ作業方法

◎測定値と図面を照合し合否判定
×測定値と記憶を照合し合否判定




目次へ戻る



(C) syslab-ISO-network