syslab ISO network Report
コンサル現場から


REPORT No.84 2005.6.24

不良がゼロニならない理由

Syslab方式のISOコンサルティングは、不良半減を目指している。今まで、200社のISO導入コンサルティングに参加させていただいた。どこの企業でも日常的課題として、慢性不良がある。経営者がうるさく言うとある程度減るが、またいつの間にか元に戻ってしまう不良のことである。この慢性不良を半減させることである。

不良対策には、品質管理で減らすことのできる不良と決めたことを守れば発生しない不良を分けて考えるのがポイントである。ほとんどの企業の慢性不良は、決めたことを守っていないことで発生している。これが不良の80〜90%を占めている。品質管理で不良を減らそうと思っても、減らない理由がある。

ISOは、決めたことをいつでも守りますということを公約として全世界に発信することであり、決めたことを守るという仕組みづくりなので、ISO導入過程で不良が半減して当たり前である。

ある企業で、不良ゼロの全社員研修を2ヶ月の間に3回行ったが不良が減る傾向にない。

不良ゼロのものづくりを整理すると
1)次工程はお客様
2)品質は工程で作りこむ
3)工程を改善することで不良ゼロ実現する

もう一歩踏み込むと
1)不良ゼロには4つの関所を明確にする
受入検査、工程内検査、最終検査、出荷検査
2)製品の監視は3つのチェックポイント
初物チェック、中間チェック、最終チェック
3)次工程はお客様の4つ基本動作
作業指示、作業準備、作業中の監視、次工程引渡し

さらに踏み込んで、5Sによる標準化をする。
1)加工ミスのポカヨケ作業方法
2)加工落ち、未加工のポカヨケ作業
3)欠品のポカヨケ作業方法

いままで、この原則で不良を半減させてきた。しかし、今回、ルールの徹底方法に問題あるのに気がついた。

1) 作業する各人の上司がわからない。
暗黙の了解で17人の製造現場に3人のグループリーダーがいる。しかし、ファジーな 関係で不良発生が誰の責任か定かでない、要するに命令系統がはっきりしない。不良 ゼロのもの作りの手順を作業手順書にまとめてあるが各作業者は理解していない。

2) 作業手順書には、  不良の発生原因、流出原因が記されている。ベテランが作業者に不良ゼロの仕事のやり 方を教えるものである。不良が発生すると作業手順書のどの部分が守れなかったか確認 できるものである。命令系統がはっきりしなければ各作業者に伝わないのが当然である。




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