ISOを導入し、2〜3年の会社や10年以上経過した会社でも、ISOが形骸化し、維持することが主業務になってしまっているという話をよく聞く。だれが(管理責任者)ISOを運用しているか聞いてみると、当初は、経営者や役員クラスで日々的にマネジメントを行っていた人であるが、管理責任が世代交替し、全社的マネジメントの経験のない人が運用しているという。形骸化の要因は明らかである。
その要因は、ISO導入の目的が分からなくなっているか、経営者がISOの興味を失っている。ISOを品質管理や環境管理の管理ツールと勘違いしている。そして、マネジメントをだれが、どのように全社員に教えるのか不明確なまま、文書があれば、みんなうまく運用してくれると期待している。
現象としては、管理責任者が代替わりするうちに、全社的なマネジメントン経験も責任もない人が担当している。担当者は、ISOをとことん読みこんで、しっかりした文書化に作り上げ、ISOだから守って下さいと各部門に指示をしているが、徹底されず悩み、被害妄想化している場合もある。
一方、各部門の責任者は、ISOだからしょうがないとあきらめ受け入れている。しかも、ISOマニュアルに触れるのは、年1回の内部監査時とサーベランスで審査員が現場審査に来たときだけである。しかし、これでいいのかと疑問視している。
この状況から脱するために、「ISOとは何者だ?」、「ISO認証の目的は何だ?」と目的(根本)から見直し、全社員の共通認識をコンセプトとか、合言葉に表すことから出発点し、ISOを再構築することである。
ISO2015年改訂はこの見直し、再構築するチャンスである。規格改定では、経営に役立つISO、組織目的をマネジメントシステムで達成しようというものであり、経営者の責任の明確化、パフォーマンスの要求、リスクマネジメントの要求、複数システムの統合化など本来業務、日常業務化を目指している。
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