日常業務と遊離、形骸化している、身の丈に合わないISOを ”おばけISO” と呼んでいる。ISO9001とISO14001を認証している60名の製造業のことである。社内体制として品質と環境の管理責任者をそれぞれ決めて運用している。内部監査や文書体系も別々のものとして運用しているため、重複した管理が多く、ムダが目に付く。
社長は何とかしたいと思っているが、各管理責任者は、苦労して構築した現体制がよいと主張している。今の体制を崩せばISOは維持できないと信じているようだ。担当者は自分の仕事の領域を確保し、既得権化しているように見える。このような状況を2年くらい前に訪問した時から聞いていたので、様子伺いに行ってみた。
状況は変わっていなかった。何のためにISOを導入したのか?、ムダが見えるのに、ムダを取らなくてもよいほど余裕のあるのか? 担当者のためのISOになっている¥ないか。現場ではコストダウン活動に明け暮れているのに・・・。間接業務の改善に手がついていない。組織を改革するために道具として、統合マネジメントシステムに再構築したらどうかと提案した。
部門の人達に聞いてみると、ISOは難しい、よくわからない、文書や記録に振り回されるという。会社にとって必要だと理解できるが、やっている業務については・・・・。ISOだけがうごめき、形骸化している。このような状況で、ただ、業務の簡素化のために、統合化をしてみても、根本が変わらなければ、効果は期待できない。”おばけISO”を再構築をするならば、組織そのものを改革する必要がある。
ISOを全社員に教えるために、「ISO9001は、会社をよくする道具」「ISO14001は、地域に迷惑かけない道具」と定義する。そして、この目的を達成するためには、品質とか環境を分けて考えない。企業の使命(ミッション)は何かを原点から見直す機会とするための道具として、統合システム(ISO9001+ISO14001)を使ったらどうかと提案した。
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