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コンサルの現場から

コラムNo.39

『ものづくりよりチェックシートづくり?』


ISO9002-1994を認証しているある企業で電気部品をカシメしている作業現場に入ってびっくりした。カシメ専用機2台のそばでA3版のファイルが2冊が広げられ、作業者がそのファイルにデータ記入をしていた。

現場を見た瞬間、カシメ作業のものづくりよりもデータ記入、チェックリスト記入に相当の工数がかけられているアンバランスな状態が気になった。

品質管理担当者に聞いてみた。カシメはシビヤな作業であるが、顧客からの特別な要求もないのでISO認証前は、A4版1枚のチェックシートで作業していた。ところが、ISO導入時、コンサルタントの指導で、ISO規格の記録要求から定時間ごとのデータ作成が必要であると、A3版2枚のデータシート兼チェックシートを作った

さらに聞いてみた。新しいデータシートで管理した結果、不良率が下がった事実はないという。当然現場から苦情が出たが、“ISOだから必要だ”と押し切られ、コストアップした作業を2年間も続けているという。

ISO規格では、仕事の証拠としての記録は要求しているが、コストアップは要求していない。システム見直しの時は、コストの面からも検討してほしい。ISOを認証することが目的にならないように注意が必要だ。


文・末広繁和
更新日:2003-01-13 10:59:42

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