ISOを活用した組織を元気にする
シスラボISOネットワーク

シスラボISOネットワークトップイメージ

コンサルの現場から

コラムNo.282

『原点回帰のものの見方』


昨年後半から短期間の間に、過去に経験したことのないスピードで、ほとんどの業種が同時に企業業績が悪化してきている。しかし、まだ、助走段階に過ぎないように思える。今まで、善しとしてきた過去の延長線で、ものを見るという価値観が見事に崩壊し始め、総崩れとなり、混沌とした状況に放り込まれている。

ものの見方として、過去の成功例や原因分析など、過去から現状を見る帰納法的なものの見方(デカルト思考)と理想を元にして、未来から現状を見る演繹法的なものの見方(ブレイクスルー思考)の2つがある。過去の延長線上からのものの見方は、壁にぶち当たって混乱しているのが現状である。

過去のルールが通じない混沌とした時代には思考転換が必要である。デカルト思考からブレイクスルー思考へと思考転換することである。ブレイクスルー思考は、もののコンポン、ものの目的から考える方法として、目的展開から始めるのが基本である。

目的展開とは、あるべき姿(コンポン;本質)と現状のギャップを追求するための道具である。まず、いつ、どこの、だれの課題か、場を設定する。 そして、その場の上で、その目的は何か? その目的の目的は何か? と追求しながら実行可能な着眼目的、次の着眼目的、次の次の着眼目的と段階的に整理する。

ターゲットと決めた着眼目的についてアイデアをあれこれ考え、実行計画を作り出すことである。これは原点に戻るための原点回帰の道具といえる。過去のルールが通じないときは、会社の目的は何か、仕事の目的は何か、この業務の目的は何か、などを皆で話し合うことによって、ターゲットする着眼目的(進むべき方向)を見付けることである。

そして、ターゲットと現状のおかれた位置を話し合いを通して、お互いに認識、共有することが、変化に対応しやすい組織力を作り出せる。経営者から社員一人ひとりにいたる総力戦で、この危機を乗り越えることを期待する。

ある経営者が、仕事量が落ちた今は、「人づくり」のチャンスを与えて貰ったと腹をくくり、「人づくり」の研修をしたいという言葉が印象的であった。


文・末広繁和
更新日:2009-01-04 12:43:15

シスラボISOネットワークバックイメージ
SYSLABISO.com  
(C)2000-2008シスラボISOネットワーク All rights reserved.
コンテンツ内の画像、文章、HTMLなどの転載禁止
著作権で保護されています。
Powered by CINFO.jp
  シスラボ・スエヒロ
syslab-ISO-networkを運営している シスラボ・スエヒロのホームページ。
お問い合わせ・質問などはこちらまで。