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コンサルの現場から

コラムNo.280

『ISO内部監査が会社を変える』


日本のISO認証件数は、ISO9001で42.000件、ISO14001で20,500件(2008年8月)を超えている。認証企業でISOが経営に役立っているかを聞いてみると、役立っていない、重荷なるという企業が多い。

ISOを採用するということは、法律ではないのですべての企業が規制されないが、国際規格であり、採用した場合は、顧客に対して3つの責任を持つことが必要と提唱している。

1、信頼性:我々は決めたことはいつでも守れます。守れない場合は決め方を見直します。
2、透明性:必要よって顧客から仕事の内容が見れます。そのために手順(仕事のルール)で仕事をします。
3、公平性:仕事の結果には証拠があります。顧客満足を維持するための証拠となる記録があります。

3つの約束を保証すためのひとつの効果的な方法として内部監査のしくみがある。内部監査には、「?決めたこと守っているか」「?その決め方でよいか」の2種類の監査の観点がある。認証済みの企業で内部監査の記録を見せていただくことがある。認証後、1年以上も経過しているのに、いまだに「?決めことを守っているか」を中心に内部監査をしている。聞いてみると、ISOの維持審査が主目的なっている。その結果、ISOは経営に役立たないという。ISO導入時の目的、初心を忘れている。

逆に、ISOを経営に役立てている企業では、「?この決め方でよいか」を中心に内部監査を行っている。その結果は、明らかにISOによるご利益を受けるという違いが出ている。最近、プロセスアプローチ監査を行っている企業が増えており、ISO導入効果を上げている。

推奨しているプロセスアプローチ監査の方法で効果上げる方法を紹介する。内部監査の目的は、企業のあるべき姿に、より近づくために構築したマネジメントシステム(仕事のしくみ)と現状のズレを発見し、どのプロセスが問題か探し出し、仕事のやり方を見直す(改善)ことである。そのためには、この「?決め方でよいか」を質問しながら監査することが必要である。そのポイントは、しくみのズレが小さいうちに見つけ出し、見直し(改善)することである。

1.監査頻度
多頻度、多回数、短時間の計画を立てることである。1回15分で監査を行う。朝礼の後やちょっとした手空きの時間で監査行い、月2〜3回、企業内のどこかの部門のプロセスが監査されているというスタイルがよい。一般的に行われている年1〜2回、すべての部門の全項目にわたり、お祭り騒ぎで監査する方法は、コスト負担が大きく、形式的になりやすく、指摘された部門の改善に時間が費やすので、中小企業にはお勧めできない。

2.監査項目
1回15分という短時間で行い、1項目でもよしとし、多回数行う。内部監査員は、短時間内で監査を行うので集中力が高められる。多回数なので年何回かの監査を体験することができる。年1回の監査だとやり方そのものを忘れ、いつまでも監査員のスキルが向上しない。

3.監査の手順
監査の準備(監査項目・監査員の指名、チェック項目、非監査部門の確認)、監査の実施(監査結果、不適合項目の整理、判定、是正処置内容指示)、非監査部門の是正処置、是正処置結果の確認の9つである。監査の準備から監査の実施までの7手順を監査し、1シートの報告書に記録するまでが15分である。

4.監査の観点
監査の観点の例として、不良は減る傾向にあるか? 顧客QCDの要求が満たされているか? 顧客満足として顧客の受け止め方が変化してきているか? パフォーマンス(利益目標)が期待通りか? などがある。これらの観点から関連するプロセスを追求する監査をプロセスアプローチ監査と呼んでいる。

5.監査テクニック
短時間の「?この決め方でよいかの監査」は、質問をして、いかに課題を聞き出すかである。質問法として、オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンを組み合わせながら聞き出すことである。

これらの監査の手順及びテクニックにはファシリテーションの技法を用いると効果的である。
手前味噌であるが、対話型の内部監査員養成セミナーを公開講座として、62回開催(2008年8月) してきた。

Syslab方式内部監査員養成セミナー
年間計画 http://syslab.sakura.ne.jp/homepage/semina2008.pdf


文・末広繁和
更新日:2008-09-10 12:42:35

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