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コンサルの現場から

コラムNo.268

『不祥事を防ぐ、ISOトップダウン型マネジメントシステム』


外部から見て、地域を代表するような立派な企業と信頼していても、ある日突然、マスコミに不祥事を報道される企業が次から次へと出てくる。消費者からみたら、何を信頼し、安心できるのかである。このような状況下で、牛肉ミンチ偽装事件が発覚した。10年くらい前から恒常的に偽装が行なわれていたという。他の不祥事事件も含め、共通的にいえるのは、「方針」を無視したマネジメントをしているということである。

「方針」を無視して、あれこれ指示することを、ボトムアップ型マネジメントのワンマン経営という。自分達の行動規範を見失い、成り行きになり、経営者が名誉欲や私利私欲に走っても、社員は口出しできない、状況になってしまう。社長、これ「わが社の方針」とズレていると言えない、状況を作ってしまうのである。不祥事の企業の特徴は、ボトムアップ型マネジメントのワンマン経営が特徴である。

これに対して、「はじめに方針ありき」という、トップダウン型マネジメントでは、社長も方針に基づき指示し、社員も方針に基づき行動をする。社長、これ「わが社の方針」とズレていると言うことで、行動規範が守れる。言い換えれば、会社を潰さなくてもすむ方法といえる。ただ、コンプライアンスだけを経営者に押付けても、ワンマン経営では機能しない。

日本的経営といわれたボトムアップ型マネジメントは、過去の延長線上に未来のあった高度成長時代には、パワーのある大変効果な方法であった。しかし、バブル崩壊後、過去の延長線上に未来はない時代には、未来から現状を見なければ、会社の方向付けができない。未来から現状を見るために「はじめに方針ありき」のトップダウン型マネジメントにする必要がある。

だからといって、ボトムアップ型マネジメントを否定するものではない。不祥事を起こす企業でも、創業時には、思い入れを「方針」に託して、経営し、成功してきたが、いつも間にか、世代交代をしているうちに「方針」を重視しない風土が出来上がり、ボトムアップ型マネジメントのワンマン経営となり、社長が雲の上の人になってしまい崩壊に向かう。

このようなことを防ぐために、創業時が過ぎたら、全社員を巻き込んだ参画型の「はじめに方針ありき」のトップダウン型マネジメントに切り替えるべきである。決めたことは、いつでも守るという信頼性の原則、必要なら外部からいつでも仕事の手順が見えるという透明性の原則、そして、誰がどのように仕事をしたのか、その証拠を残している公平性の原則で、マネジメントすることである。

それでは、トップダウン型のマネジメントシステムにどのように、切り替えるかである。ビジネスモデルであるISO9001を採用すれば6〜12ヶ月で意識改革、組織改革ができる。もともと、ISO9001は、英国で起案された、マネジメント8原則をベースにしたトップダウン型のビジネスモデルとしてのマネジメントシステムであるからである。

しかし、ISO認証企業は、すべてトップダウン型のマネジメントシステムかいうと、そうでもなく、ボトムアップ型マネジメントのままシステム構築をした不祥事企業が何社も報道されている。

これは、ISO9001を何のために採用するかの考え方である。意識改革をする、組織風土の改革をする、顧客に信頼と安心を提供するという明確な「方針」を持たなければ達成できない。認証そのものが目的であったり、品質管理と認識し担当者任せで、経営者が取りくまなけ意識改革や組織改革はできない。


文・末広繁和
更新日:2007-06-28 12:38:14

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