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コンサルの現場から

コラムNo.238

『不良は減らすためには「不良はゼロになる」と信じること』


不良は企業にとってムダなコストであり利益を圧迫する。ある企業で前年比50%減、金額でいくらという組織目標を掲げ、幹部社員には個人目標を設定させ、不良削減に取組んでいる。しかし7ヶ月過ぎた現時点で目標値と同じ件数が発生している。

当然これでは、改善計画は達成できない。昨年度も同じような目標立てたが同じような結果に終わっている。個人目標を見せてもらったが、改善テーマと不良削減件数や金額との関係がつかめない。

年間計画と称してガントチャートで計画線が入れてあるが、実績線がない、幹部会では毎月、金額的な評価をしているが、ガントチャートの計画との対比がない。現場に行ってみると職場としてどのようなことが問題で、それに対して、一人ひとりがどのように取組んでいるという雰囲気がない。

クレーム及び重要な不良が発生すると工場長が朝礼で職場リーダー、メンバーを集めフイードバックしている。しかし、同じような不良が発生している。是正処置票を見ると原因追及があまく、言い訳的な部分も多い。 要するに、不良対策が形式化している。

社長と話す中で、「不良とは何か、各人の認識がバラバラ」、「ほとんどポカミスなのでゼロにならないとあきらめている」、「不良防止の作業のやり方が何かわからない」「会社には利益減という痛みはあるが、社員が痛みを感じていない」「忙しく部下の話を聞いてやれない、指導できない」「会社の利益と自分の関係がわからない」「時間に追われ思い込みをする」などの課題が挙げられた。

不良の慢性化、不良は作業者より作れないのに個人の責任が不明確、人と人の関係がバラバラでチームでの助け合いができないなどによって、表面的で形式的な行動になっている。しかし、不良は出したくない気持ちは、皆、同じであるが、つい出てしまうという状況である。

職場リーダーが“不良には、必ず原因がある、原因がわかればゼロになる”と信じることができれば不良は減るが、人間のやることだからしょうがないと考え、あきらめていれば不良は減らない。要するに意識を変えることが不良を減らす。怒っても減らない。

意識を変えるためには、3〜6時間くらいのワークショップを行い、人と人の関係、聴く、話す、書く、というチーム活動の中で自分の行動、自分の感じ方、他人の感じ方に気が付くことである。気付きのための研修を行いながら意識改革を変えるプログラムを提案した。


文・末広繁和
更新日:2006-08-10 12:26:09

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