初めての企業や工場を訪問して、瞬間反射的に気になるのは5Sの状況である。発注側ならば、自分の製品がどのように大切に取り扱われているのか、大変気になるものである。ある衣料品を加工している縫製工場を訪問した。
加工場の床は、板張りで大変きれいであるが、加工中の製品が床に“べた置き”されている。しかも、加工中製品か、手直し品か、完成品か無造作に積み上げられ識別ができない。また、完成品を包装出荷するための、空ダンボールも山済みされ、廃棄物置場か包装場が区別つかない。
さらに、加工場に8人の日本人作業者がいたが、訪問者に対して会釈などの反応がなく、黙々と作業していた。ちょっと気になったので、取引先からお客が来られた時、訪問者がどのような反応を示しているか、専務に聞いてみたが、特に、苦情なりを言われたことはないという。
確かに、何社か同業者の工場を見たことがあるが、5Sの感覚が鈍いところが多い。だから顧客もあまり気にしないのかも知れない。顧客満足とは、当社を顧客がどのように受け止めているかを感じ取り、顧客に安心感、信頼感を与えるものである。
もし、顧客がこんなものだと思っているならばチャンスである。顧客側からの製品を大切に取り扱っているという“見える安心感のある5S”と”感謝に満ちたあいさつ”が、他社との差別化する原動力となる。顧客満足重視の経営体質を作る第一歩となる。
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